「地図と領土」といえばミシェル・ウエルベックの小説である。孤独な芸術家ジェドが世捨て人の作家ウエルベックと出会う物語だが、このタイトルは言語学者コージブスキーの「地図は領土ではない(A map is not a territory)」という言葉が元になっている。
思想
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地図と領土が交わるところで
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机の裏に地図を貼る
先日のWIREDにおけるやくしまるえつこのインタビューはすごかった。このインタビューでのやくしまるの発言はSFに満ち満ちている。究極のプライヴェートとしての遺伝情報。人類をすげ替えるための偽装工作。冷蔵庫は家電の中でいちばん人間に近くて、固定電話の受話器は過またない。
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空想から空想へ――社会主義の臨界点
マルクスのよき理解者・エンゲルスによって書かれた「空想から科学へ」は、社会主義の入門書として名高い。その構成はよく練られていて、第一章は空想的社会主義者たちを賛美すると同時にその限界を示し、第二章で哲学・形而上学――とくに弁証法――について考察し、第三章では資本主義の死滅と社会主義の必然的な登場が語られる。
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9/11・ヴェイパーウェイヴ・冷戦
21世紀に幽霊が出る――ノスタルジアという幽霊である。存在しない過去に対する憧憬は何よりもうつくしい。それは過去にありながら(しかもほんとうに存在したかさえわからないのに)、魅力的な未来を生成する。「あの出来事さえなかったら、いつまでも楽しかったのに」と。その出来事は、たとえば、9月11日に起きた。